記憶の旅 中庭光彦の研究室

都市や地域の文化について

三陸-人口減少におけるサスティナブルな開発 かつて見た空間はどう変わるか

 ゼミ学生と三陸を回ってきた。8/5-7。釜石に2泊しながらも、陸前高田、大船渡、宮古大槌町、を回り、私一人では何度目かの石巻も見てきた。

 三陸はかさ上げも終わり、その上には大規模商業施設や区割りされた新しい戸建て住宅が並んでいる。サードブレイス的な小規模商店街も造られている。1990年代から一貫して人口は減っていたわけだし、仮設住宅居住者もまだ残りまだ復興問題は山積みであるとはいえ、復興の意味は今後に向けた局面に変わってきている。ただ、新たなに造られた景観に、どことなく既視感がある。それは多摩ニュータウンが開発された当初、1971年頃のまだ植栽が整っていない頃の郊外景観だ。

 背景に山があるとはいえ、盛り土の上のまちだから似通ってくるのは当然かもしれない。三陸自動車道は無料の自動車専用道で便利だし、一次産業が近いという点では、これからの持続可能社会に移行するための要素を内包しているとも言える。コミュニティは至る所傷ついたが、それ故、否応なくバージョンアップしている。その中で、世代をまたぐ人々がおもしろい事業を行っている。

 かつて見た空間を参照して整備された津波被災地に、今後への課題がどんどん生まれ創発者が様々な試行を行っている。自治体によってばらつきはあるが。

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三陸鉄道中村一郎社長と学生 取材後に宮古駅前で記念撮影

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釜石市出向中の多摩大OB北辻君と学生

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石巻中心市街地の川辺は復興住宅、分譲マンション、石巻元気市場が整備された。この日はREBORNフェスティバルの初日で駅前は大賑わい。