記憶の旅 中庭光彦の研究室

都市や地域の文化について

西東京市産業振興マスタープラン

昨年度1年間かけて委員のみなさんと作成した「西東京市産業振興マスタープラン後期編」ができあがり、私にも送られてきた。良い計画になっていると思う。 このような委員会にはいくつも参加してきたが、つくった計画がきちんと実施されるかどうかいつも心配…

オーラルヒストリーに対する誤解について

3月に御厨貴編『オーラル・ヒストリーに何ができるか』(岩波書店)が書店に並んだ。その中に若林悠(東大先端研特任助教)による「オーラルヒストリーにおける『残し方』」が収録され、かつて私が手がけた『オーラルヒストリー多摩ニュータウン』や、西浦…

日南市油津 商店街再生成功神話に秘められた別の意味

今週、宮崎県日南市油津を訪れた。江戸時代には飫肥杉の積み出し港として、また昭和には近海鮪漁で賑わったまちだ。 平成になって、猫も通らない商店街と言われたまちが、外部から移住したプロデューサーにより20店舗以上の新規個店が蘇ったと、商店街再生…

山形新聞に掲載

長井市では、観光資源として水に焦点を当てるならば、水そのものではなく、水と文化・歴史をクローズアップしないとならない。そんなことを話した講演が、3月24日の山形新聞に掲載された。

山形県長井市再訪-水路の迷宮がすばらしい

本日「水・水路と観光まちづくり-全国の水辺のまちづくり事例から」(ながい黒獅子の里案内人研修会、長井市観光課)の講演を行うために、昨日から長井市に入った。訪問は2年半ぶり。地元ボランティアガイドの会「ながい黒獅子の里案内人の会」の田中会長…

『水とくらす日本のわざ』3巻完結

私が監修した水に関する絵本3巻本が完結。 3 伝統――打ち水・風呂・ししおどしなど (和の文化を発見する 水とくらす日本のわざ) 作者: 中庭光彦 出版社/メーカー: 汐文社 発売日: 2019/03/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る

ミツカン水の文化センター バックキャスティングワークショップ

3月20日(水)夕方は、ミツカン東京ヘッドオフィスにて、水ジャーナリスト橋本淳司さんによる社員向け研修「未来を変えるワークショップ」にオブザーバー参加。たいへんにわかりやすい。また、新著の『水がなくなる日』はSDG'sと水の関係を考えるワークシ…

中庭ゼミ第8期生卒業式2019年

今年も卒業式の季節。3月21日の卒業式。私のゼミ学生卒業生は13名。社会に巣立っていく。

読解力研究、大村はま、43年前の自分に会いに行く

今年度関わった読解力養成教育を、4月から共同研究にすることとなった。その中で私に求められている役割=私の問題意識は、読解力養成と地域認識力の関係を構築することだ。10年前の大学生なら、フィールドワークに行けば何かしらの発見をしたが、スマホ…

『水とくらす日本のわざ 和の文化を発見する2産業 和紙・染め物・和食など』発刊

先月に続き、小学生向けに監修した『水とくらす日本のわざ 和の文化を発見する2産業 和紙・染め物・和食など』が発刊された。全3巻なので、3巻目は来月発行予定。 2 産業――和紙・染めもの・和食など (和の文化を発見する 水とくらす日本のわざ) 作者: 中…

ソウル清渓川を歩く

二泊三日でソウルを歩いた。2005年にできあがった清渓川開発。それまで川の上に蓋がされ、さらにその上に高速道路も通っていたものを撤去し、元の川に戻したもの。日本では河川整備の文脈で紹介されることも多いが、見てわかるのは都市再生開発の一環という…

世界遺産石見銀山の魅力とは?

私の連載「魅力づくりのおしえ」。今回は石見銀山を分析しました。他の世界遺産とは違います。 石見銀山入り口の大森町。石州瓦が美しい。 www.mizu.gr.jp

はてなダイアリー削除

昨年8月に「ハテナダイアリー」が閉鎖されるというニュースを聞き、それ以降のブログはこの「ハテナブログ」に移動し、名前も「記憶の旅」と変えた。そしていよいよ2月いっぱいでハテナダイアリーが閉鎖となるので、以前のブログ「多摩の中庭」の記事をバ…

細野助博先生最終講義に出席する

社会人大学院生として恩師の細野先生とお会いしたのが1998年、36歳の時。それから20年。細野助博中央大学公共政策大学院教授の最終講義が、お茶の水の中大記念館で行われた。追手門大学、帝京大学、中央大学の先生の教え子、関係者が多数かけつけ、400名位…

小学生向けに監修『水とくらす日本のわざ』

汐文社より3巻本『水とくらす日本のわざ』の第一巻『生活-井戸・水道・堤防など』が出版されました。小学生向けの絵本で、監修を行いました。今後2、3巻と発行されます。 大人向けの文章ならばイメージは読者が頭の中で補ってくれるわけですが、絵本はわ…

地下水学会シンポジウムで水の文化政策について報告

日本地下水学会シンポジウム「わが国における地下水ガバナンスの現状と課題-社会系科学の側面から-」で「地下水・湧水に関する水の文化政策」という報告をしてきた。地下水ガバナンスがテーマなのだが、学会が異なると、その意味する所も異なり、一種の異…

かわまち大賞発表される

2018年度のかわまち大賞が発表された。 http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo04_hh_000084.html

水道法改正

1999年1月にミツカン水の文化センターは創設された。当時社会人大学院生として駆け出しの地域政策研究者だった私は、このセンターの設立に関わり、いつの間にか水文化研究も20年を経過した。 『水の文化』60号に、この20年の水文化の変化について…

行徳の文化景観

昨日は船橋で講演。「葛南広域地域連携のための勉強会」(千葉県葛南地域振興事務所)で「かわまちづくりの現状と課題」について話してきた。それに先立ち先月、市川市の行徳を事務所の方と歩いてきた。 行徳は歴史ある場所だ。徳川家康が江戸を造った折、こ…

地下水・湧水に関する水の文化政策

リバーフロント研究所の機関誌『RIVER FRONT』vol.87の特集「湧水・地下水の保全・復活・活用」(9月発行)に、「地下水・湧水に関する水の文化政策」を寄稿しました。それが研究所のHPにアップされています。 http://www.rfc.or.jp/pdf/vol_87/p014.pdf 目…

岡山市旭川かわまちづくりの可能性

今年の2月、リバーフロント研究所の視察に同行した。場所は岡山市旭川で、後楽園のあたりとなる。かわまちづくりのポテンシャルを探る目的で、地元の事業者にインタビューを行い、若手事業者をバックアップしている人々も浮かび上がってきた。 その折りの報…

盛岡 大慈清水

大学授業の合間を縫って、先週は秋田県能代市二ツ井、そして一昨日は盛岡市を見に行ってきた。どちらにも川を活用してまちづくりをしたいという方々がいる。 盛岡市では新幹線で帰路につく直前、地元のまちなみ塾の方の案内の下、古い町屋が修景されて残され…

済南市・国際泉水文化景観都市連盟会議で報告

9月2日から5日間、中国山東省済南市を訪れた。東京日中友好協会の訪問団として「国際泉水文化景観都市連盟会議」に参加するため。中国は初めてだったが、済南市の手厚いもてなしのおかげで、会議での報告、エクスカーション、市内視察、充実したものとな…

岩の教会

コペンハーゲン、ベルゲン、ウルヴィック、ストックホルム、ヘルシンキと北欧主要都市を旅してきた。北欧の文化的景観収集を目的に楽しんできたのだが、帰国後2日目の現在、頭から離れないのがヘルシンキの「テンペリアウキオ教会(テンプル広場教会)」、…

軽井沢夏期大学で東京水道史を話す

8月4日、軽井沢夏期大学で「大東京生活水利秩序の形成」と題して話をしてきた。 この大学、歴史は古く、後藤新平と新渡戸稲造が創設して今年で百周年となる。一時の中断を経て再開されても、今年で第70回。たいへんに歴史ある市民大学なのだが、単なる市…

倉敷 水の文化

ミツカン水の文化センター発行『水の文化』59号がアッップされ、私の連載「魅力づくりの教え」も読める。 まちの文化発信力を維持する人々│59号 釣りの美学:機関誌『水の文化』│ミツカン 水の文化センター 今回取りあげたのは、倉敷市。誌面には書いてい…

大東京市から高度成長へ-戦前・戦後の区別よりも連続的な郊外化

8月に軽井沢夏期大学で、戦前の東京市水道について話すこととなった。 東京市は1910年代から郊外化が著しく、1932年には大東京市35区(ほぼ現23区の範囲)に広がる。人口の増加も激しく、その増加率が鈍るのは1960年代の高度成長期だった。…

地域開発政策の転回点-魅力調整ガバナンスの時代

私の専門は地域政策、開発政策史である。と言うと、常識的には地域活性化、すなわち条件不利地域に補助金をつぎ込み経済成長に持ち込もうとする開発政策の日本版を思い起こされるだろう。これまで都市集積の中にコンベンションをツールとしたコミュニティネ…

政策はツリーではない

年度末、年度初めになると自治体が「○○総合計画」づくり、「○○マスタープラン」づくりに協力してくださいと相談を受ける。担当者にお会いした時に最初にお話するのは「政策はツリーではない」という意味のこと。 もちろん、この言葉、グレゴリー・アレグザン…

地域資源という言葉で示せること

事業あっての地域資源 今週の週刊ダイヤモンドを読んでいたら、岡山忠興氏が「地方創生ブームの愚『地方PR動画』乱発はネット時代のハコモノ行政だ」という鋭い論考を書いている。その中で「地域資源」という言葉がバズワード化していると指摘している。一応…